今迄色についてお話してきましたが、白は、全ての光の色の波長を跳ね返す色です。
高揚・鎮静・中庸すらない色なのです。そこには色にまつわる感情もありません。
何も考えられなくなると「頭が真っ白になった」とか、「白紙に戻す」など、言葉に使われている白はまさしく何もない事を指し示している事が多いですね。
それと同時に白に対する敬意と憧れのイメージもあります。
ウエディングドレスの白は、純白=まっさらで穢れていない処女性のイメージ、医者や看護婦の白衣やレストランのシェフなどの身にまとう白は、混じりけのない=その仕事に余分なものが入り込まない潔白性が感じられます。
また、神道の禊を行う時や、亡くなった方の白装束は、命の終わりや再生、神仏への畏敬の念を意味しています。
つまり、白は無、処女、畏敬、終焉、再生と言ったイメージですね。最も哲学的・宗教的意味合いが強い色ともいえます。
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