続・水族館にて

先週のココロコラム更新後にメールを頂きました。
是非いろんな方に読んで欲しいと思いましたので掲載させて頂きます。

その1
私は動物園で飼育係をしておりますが、毎日のように見掛ける光景です。
注意もしますがなかなか…保護者がそばにいないケースも増えています。
子供も言うことを聞いてくれません(T△T)
先日など、サルの運動場にお菓子を投げ入れている男性グループに注意したら、後にはたばこの吸い殻が投げ入れられていました。
これには怒り心頭であたりを見回したものですが、本当に想像力の欠如した人間が増えましたね(-_-;)
親がこれでは、どんな子が育つのかと心配と共に不安になります。どうなってしまうのでしょうね…。

その2
私は某ペットショップの店員です。私が悩んでいることはお客さんのモラルです。
”タダで生き物を見られる場”だと、連日大勢の方が来店され、見た目がグロテスクな動物に「気持ち悪い!」など好き勝手に大きな声で言い、挙げ句なにも買わずに去っていきます。
ココロの中で思うのは自由だけれど、スタッフみんなで我が子同然に大切に育てているペット達に対して、ひどいことを言われるのは許せません!

お2人共動物に携わるお仕事をされていらっしゃいます。
頂いたメールを見ると、日々の仕事の中で毎日ジレンマを抱えていらっしゃるのが良く解りますね。
個人的に、たばこの吸殻の話は激怒しました。
今度、ペットショップや動物園、水族館に行かれた時は、裏方さんのご苦労をちょっぴり想像してみて下さい。
これまでと見方が変わるかも知れませんね。(^^)

前回、今回と動物の施設を題材として取り上げました。
他にも、人がたくさん集まる所で信じられない位マナーの悪い人を見かける事は少なくありません。
個人的見解ですが、このようなモラルの低下は「ジコチューの蔓延」が大きな原因のひとつだと思います。
核家族化、近所付き合いの減少、共働き、少子化、1人遊びの多様化などいろいろな要因があり、昔に比べて大勢の人と共同で生活する機会が極端に減少しています。
ジコチューの蔓延は、こんな現代社会のシステムから生まれてきたのかも知れません。

大勢の人と共同で生活する機会がなくなったとしても、転んで膝をすりむいたら誰でも痛い、これはほとんどの人が想像出来る事でしょう。
しかし、自分さえ良ければ良いと思う人は、他人が転んだら痛いかどうかの想像が出来ない、または想像しないのです。
これを極端に突き詰めれば、自分の欲の為なら人を殺めても良いと言う事になりますね。
そういえば・・・・最近こんな動機の事件が多いと思いませんか?

最後に、芥川龍之介の言葉を引用します。
「良心は我我の口髭(くちひげ)のように年齢と共に生ずるものではない。我我は良心を得る為にも若干の訓練を要するのである。」(侏儒の言葉より)
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