占いを味方につける・その2

以前、とあるセミナーでお会いした方の発言を読んで、これは是非ココロコラムで取り上げたい、いろんな人に紹介したいと思いました。

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私はもともと「汝自身を知れ」という有名なコトバ通りに、自分の特性等を客観的に理解することにかなりの時間を費やしてきました。大学院でエゴグラム(※注1)の研究をしていたのも、その一環のひとつとなります。もちろんインドに「アガスティアの葉」(※注2)を見に行ったのも。
ひとつの占いだけを信じ込むのは危険だと思ったので、さまざまな占いや自我状態把握手法で自分の特性の把握をしようとしてきました。
で、いろいろやっていくと、どの占い/手法でも出てくる部分があり、それについてはアタリ/ハズレではなく紛れもない事実であると受容。
「さまざまな角度から分析し、その結果を統合して、全体を把握する」ということはどんな分野でも大事なことだと思います。
「自分自身の特性を把握・受容し、その特性を自分だけでなく他者にも有効活用してもらう」といったことがより多くの人に浸透していくと、もっとよい社会になっていくような、そんな気もします。
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※注1・エゴグラム ココロコラム第1415回を参考にして下さい。
※注2・アガスティアの葉 全ての人の運命があらかじめ書かれていると言われる木簡。インド占星術に通ずる。

多くの人が、本当の自分がどんなパーソナリティを持っているのかは気付いていません。
例えば、背伸びした自分、頑張りすぎる自分、ヤケになっている自分、自信をなくしている自分を自分だと思っている人もいます。
また、心の外側と本質との認識のズレが、悩みやトラブルを作り出す大きな要因になる事は否めません。 自分の真のパーソナリティを知り、受け入れ、肯定する事で、自分の特性を十分に生かす事が出来るようになりますね。
ただ、「自分探しの旅」と言う言葉もあるように、本来のパーソナリティや自分の特性を客観的に知るのはなかなか難しい事です。

占星術や東洋系の多くの占いは、膨大なデータを基にした一種の統計学です。
占いを「信じる」「信じない」、「当たり」「はずれ」と言う一元的な見方ではなく、統計結果として捉えるのは、もしかすると占い本来の使い方なのかも知れませんね。
その統計結果を多角的に分析して、自己認識の一端にするのは合理的で客観性のある大変有益な方法だと思います。

占いを信じる事は決して悪い事ではありませんが、占いに依存をすると自分が占いに振り回されます。
占いを自己認識のために使う事で、占いを頼もしい味方に出来るのではないでしょうか。

最後に、発言の中に「その特性を自分だけでなく他者にも有効活用してもらう」とあります。
この言葉には、合理主義や犠牲的精神、博愛精神を超越した精神を感じました。
私に気付きを与えてくれた富永さんの発言に感謝します。
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