体の潜在能力

その昔タップダンスを習っていました。(*^_^*)
ある日、少し遅刻してレッスンに行ったらピンチヒッターとして東京から来た若い男の先生がいました。
ブロードウェイで修行した現役バリバリ、輝かしい実績と経歴を持った一流ダンサーとの事。
レッスン中の超張り詰めた緊張感を目撃し、文化センター気分で習っていた私はそのまま帰ろうとしたら先生にみつかり早速怒られ、渋々レッスンを受ける羽目になりました。
怒鳴られ叱られおまけに「僕は整体師じゃないんだから!」と言いながら私の硬い体をバキバキと引っ張る荒療治の数々。(T_T)

これがきっかけで、先生との交流が始まりました。
「ダンサーは体が商売道具だから、全て自分の意思で自由に動かせないと商売にならない」と言って、足の指や顔のパーツを自由に動かしてくれました。
全てバラバラに動いている足の指は、足の親指しか思い通り動かせない私にとって不思議な光景でした。

ダンサーの基本中の基本、「立ち方」も教えてもらいました。
体の筋肉や筋の流れからも大変理に適っているのは頭で解りますが、これがなかなか出来ません。
足の小指や足の裏を使えと言われても、自由に動かせないので体の感覚が解りません。
先生に「ここは出さない!」バシッ、「ここに力を入れない!」ペシッなんて叩かれてようやくマスター。
「その状態で歩いて」と言われて歩いたらロボット状態になり、先生は失笑していました。(^_^;)

この立ち方は、体がブレないので電車やバスで手すりやつり革につかまれない時には助かりました。
しかし、ダンスを辞め、先生との交流もなくなって随分年月が経ちすっかり忘れていました。
先日、電車に乗っていてフラフラしない方法はないかな?と知人が言っていたので、先生から教わった「立ち方」を思い出し伝授しました。
すると、「丹田センタリング」の方法と一緒だ!と言われました。

丹田センタリングとは、ヒーリングで有名な「レイキ」をはじめとしたスピリチュアル系のワークに良く登場します。
「自分の中に中心を持つ」訓練をする事で、心と体がバランスの取れた状態となり、本来の自分を取り戻す事が出来る技法なのだそうです。
また、心と体を鍛える武術系には昔から「肚(はら)」とも言われる丹田を意識する考え方があります。

そんな話を聞いていて、思い出したのは先生のバラバラ動く足の指でした。
体の各部位にはちゃんと神経も筋肉もあり、本来は自由に動かせるはずです。
しかし、私を含め多くの人は、自分の体なのに自分の意思で動かせない部分や、意識しようと思っても意識できない部分があります。

脳の使っていない部分に潜在能力がある、と言われています。
それならば脳だけでなく体にも、体の使っていない部分に潜在的な力を秘めている可能性があるはずです。
そんな考えで体を鍛えるのもひとつの方法かも知れませんね。
ちなみに先生は体は勿論、精神的にも物凄くタフで前向きな方でしたよ。(^^)
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