対人関係の考察・その1〜距離感〜

先日、ウインドウに飾ってあった凄く素敵なアクセサリーにつられてお店の中に入りました。
「わぁ、素敵♪」と覗き込んだ途端店員が近づいてきました。
「凄く素敵でしょ。それはニューヨークの○○と言う最近売り出し中のアーティストの1点物で△△石が××カットになっていて・・・」と喋り始めました。
親友のようにべったり寄り添い、私が視線を向けた商品全てについていかに素晴らしい商品なのかと言う事を友達に向かって話すような感じで解説してくれました。
私はこの店に入った事を後悔し、出るきっかけを探しましたが、店員の話は切れ目なく一向に終わりません。
他のお客さんが入ってきて、店員がそちらに気をとられた瞬間を狙って逃げるように店を後にしました。
真面目で商品知識のある優秀な店員さんだとは思いますが、その距離感は息が詰まりそうで気疲れしました。
友人も偶然この店に入り同じ店員に対応してもらったそうで「物凄く鬱陶しかった。」と言ってました。(^_^;)

人との距離感。
初対面の人から重たい悩み相談を受けたり、仕事の愚痴を延々と聞かされたら、ちょっとヘビーな感じがしませんか?
仲間や友人に親しげに話しかけたのにバカ丁寧な言葉で返されたら、自分の事を嫌っているのではと考えてしまいませんか?
対人関係は、多くの人が共通認識として持っている心理的な「相手との距離感」があります。
最近、この暗黙の了解が解らない人が増えており、その多くが対人関係について何らかの悩みを持っている傾向があるようです。

例えば、初対面の人に対して親友に対する時と同じ口調で喋ったり同じ態度をとった場合、初対面の相手はどう思うでしょう。
フレンドリーな部分で中には好印象を持つ人もいるかも知れませんが、多くの人は「なれなれしい」「無礼」「無遠慮」「無神経」と言ったマイナスの印象を持つでしょう。
また逆に、仲間や友人だと思っていてもいつまでも妙によそよそしい人もいます。
先の店員の場合、「初めて入った店の店員と客」と言うシチュエーションで、一般的な距離感の認識以上に近かったのです。
それが気疲れや「鬱陶しい」の原因と言えるでしょう。
さらに、心理的な距離感だけでなく、相手と自分との実際の距離「パーソナル・スペース(第44回「縄張り意識」参照)」も心理的な影響を与えます。
親友のようにべったり寄り添っていた店員は、心理的な距離感と共に実際の距離感も一般的ではありませんでした。

本当のところは、個人個人で価値観が違うように人との距離感も違います。
しかし、「一般的な距離感の認識」さえ心得ていれば、対人関係、特に友達が出来ないとか友達との接し方が解らないと言う悩みは解消されていくでしょう。
どうすれば一般的な距離感を持つ事が出来るのかは次回その2に続きます♪
[1]週刊ココロコラム
[2]TOPに戻る