難解な暗号

少し前に、このようなメールを頂きました。(一部抜粋)
【その1】
こωレニちは→★禾ムは友T=〃ちヵゞ少Tょレヽστ〃友T=〃ちぉ作りT=レヽωT=〃け`⊂〃`⊂〃ぅUT=ら友T=〃ちを作れますヵゝ?教ぇτ<T=〃±レヽ
【その2】
ぉ聞きしたぃのですが、対人関係をょくすることに重視した感じで模様替えしたいのですがどういう感じに模様替えすればよいですか?よければァドバィスをくださぃ!!

どちらも、いわゆるギャル文字と言われる文字列です。
初めて【その1】を見た時、ギャルから遥か時を経た私は文字コードの違いで文字化けをしているとばかり思いました。(^_^;)
【その2】タイプも冗談で送ってきた「いたずらメール」だと思い、消去してしまいました。

ギャル文字は、10代の女性を中心として携帯電話のメールを媒体に生まれたと言われています。
文面が他人(特に大人)に判らないように出来る事と、文字そのものの面白さで全国的に浸透したそうです。
このような「一部の人々の伝達手段としての特殊な言い回しや文字の形、文字列」と言うのは、丸文字やポケットベルのベル番など昔から存在しています。
早い話、内容を第三者に知られないための「暗号」ですね。

「暗号」は、同じ価値観を持つ仲間内、言い換えれば「閉鎖的な世界」の中でのみ使用されるものです。
しかし、どんな相手か全く判らない人に対してでも上記のようなメールを送ってくる事から、ギャル語の発祥要因である「文面が他人(特に大人)に判らないように出来る」暗号としての概念が薄れている傾向があるのかも知れませんね。

ここからはギャル文字・小文字を使う方に対しての個人的な見解です。
個人的にギャル文字・小文字は、日本語を軽蔑しているみたいで不愉快極まりなく、非常に不快感を覚えるため文章を読む気になれません。 同じように不快に思う大人は多勢います。
最近ではインターネットの掲示板やブログ、ホームページにわざわざ「ギャル文字・小文字禁止」と書かれている所もたくさんあります。
何故ギャル文字・小文字を禁止するのか。それはマナーやモラルがないからです。
もっと判りやすい言葉で言えば「場の空気が読めない」「相手への配慮がない」からです。
機種依存文字や半角カナの使用は「文字化け」するため、メールも含めたインターネット上では古くからタブーとされています。
そのタブーを多用した「暗号」を解読できない第三者に送り付けたり、多勢の人が利用する公共性の強い場に書き込みをする人がいるために迫害されるのです。
【その2】のような小文字混じりの文章は【その1】に比べれば意味は通じるでしょう。
しかし、どんなに真面目な文章でも本来の使い方ではない小文字の多用は、同じ価値観を持つ者以外に文章を書いた本人の真剣さは伝わりません。

言葉は相手に意志を伝えるためのものなのに、「暗号」を理解出来ない相手に伝えるのは、キャッチボールで真後ろにボールを投げて「その球をキャッチして投げ返せ」と強要しているようなものです。
ギャル文字・小文字は、本来の「暗号」として同じ価値観を持つ人との間でどんどん楽しんで下さい。
そして、時と場合を考え使用する・しないを自分自身で判断して下さい。
この言葉の中には当然「使用しない場合は正しい日本語を使う」と言う内容も含まれていますよ。
[1]週刊ココロコラム
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