筆跡

以前、ある方からお手紙を頂いた事があります。
大きな封筒には超極細のペンで見開き1ヶ月のスケジュール帳に予定をびっしり書き込んでいく位の小さい字で宛名が書かれていました。
全体的にどの字も正方形の印象で活字のようにきっちりと書かれています。
便せんを開くと、罫線と罫線の間のスペース1/4位の大きさの文字が規則正しく並んでいます。
あまりに字が小さいのでお手紙を読むのに目が寄ってしまいました。(^_^;)
紙に対してアンバランスな位小さい文字を書いたこの方は、病的なほど神経質で臆病なタイプの方でした。

文字を書く機会が減っている昨今ですが、手書き文字を見るとなんとなく書いた人の性格が解るような気がしませんか?
大きい字は堂々とした印象がありますし、小さい字は小心な印象を受けます。
バランスの取れた字に比べて極端に斜めに上がっている字は、書いた人の性格に偏りがあるような印象を持つ傾向があります。
字を見た時の印象は、恐らく書いた人の人格や個性の印象と似ているはずです。

書道は1本の線を書くにしても、心に迷いがあると必ず線のどこかによれた部分が出てきます。
心静かに精神を統一し、気迫を込めて書いた書道は見る人々の心の琴線に触れる作品となります。
書道には書いた人の心の中身が表れると言われています。

筆跡鑑定では、左手で書いた文字やわざと形を変えて書いた文字も同じ人物が書いた文字と鑑定できるそうです。
それは、文字を「脳」で書いているからだと言われています。
一方、筆跡と心理の研究は19世紀から盛んに行われています。
筆跡は「文字を書く」と言う行動の「結果」ですので、そこには書いた人の行動パターンが表れます。
先ほどの書道と同じですね。
その行動パターンを筆跡から分析し、その人の人格や性格の傾向を分析するような方法も確立されています。
例えばこんな感じです。
よどみなく書かれた太くて大きい文字や漢字の「はね」「はらい」に勢いがある文字を書く人は外向的で活発
筆圧が弱く規則的な小さい文字を書く人は神経質で几帳面
角張ってがっちりとした省略のない文字は律儀で頑固
適度に続け文字や省略がありのびのびとした印象の文字を書く人は柔軟で適応性に富む
などいろいろあります。

バランスのとれた綺麗な字は、賢くて落ち着いた性格の人が書いたような印象を誰しも持つでしょう。
字が汚いよりも綺麗な方が、他人からの評価は必ず上がりますので対人関係が有利になるかも知れません。
もっと嬉しい事は、綺麗な字を書く事で「字の持つ印象」、つまり賢くて落ち着いた性格に少しずつ変わってくる事が知られています。 字がうまく書けない人は綺麗な字をお手本に練習してみましょう。絶対上手になりますよ。
[1]週刊ココロコラム
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