同級生の告白・その2

虐待の事を書くのは、ずっとためらっていました。
しかし、最近は「生きにくさ」を感じ、悩む方が非常に増えています。
生きにくさの原因を発見出来る人もいるのではないか、と考え思い切って書きました。

虐待と言えば暴力(性的虐待も含む)と言うイメージがあります。
それは、子供に不自然な打撲や傷がある事を外部の人がみつける事で発覚に至りやすい事が挙げられます。
虐待は他にも、言葉の暴力や精神的な支配、育児放棄などがあります。
恐ろしい事に、これらは親が子供に対して虐待をしていると言う自覚があまりありません。

親の都合だけで「こうしなさい」または「○○するな」と子供を押さえつけ、守らないと脅しや折檻や罰を与える
親の感情だけで子供に対する態度を変え、不機嫌な時は明確な理由もなく叱り付ける
何かと他人や兄弟と比較して「○○ちゃんは出来るのにお前は出来ない」「おまえはいつも〜だ」「おまえは絶対〜できない」と言う
世間体を気にして子供の個性を押さえつけ、「○○しなければならない」と強迫的に束縛する
子供の食事や睡眠などを全く考慮せず、深夜の居酒屋やカラオケに連れ回す

厳しいようですが、これらは親の都合だけで子供の心に傷を付ける精神的な虐待の一種です。
どこまでが虐待なのかと言う線引きは非常に難しい問題ですが、行き過ぎた放任主義や過干渉も子供の心にたくさん傷をつけます。(第71回「傷ついた子供の私」参照)
このような虐待や虐待と同等の行為の背景には、親自身の不満やストレスや、前回ご紹介したように同じような育てられ方をした「遺伝」の可能性も十分にあります。
そのため問題の根源は深く、なかなか簡単には解決出来ない部分も内包されています。

このような状況で育つと、次のような特徴を持つ傾向があります。

・孤立しやすく、他人を恐れる。
・強い依存がある。
・自己評価が非常に低い。
・自分の感情が解らず、表現出来ない。
・人の感情が解らない。
・人が怒ると怯える。

私は悩みを抱える人とお会いする機会が多いですが、恒常的に悩みを抱える人の大多数は上記のような特徴を持っている傾向強く感じています。
特に10代〜20代前半は顕著です。
もし思い当たる人は、親にどう育てられたのか、何故そんな風に育てられたのかを少しずつ考える事が出来れば、それが悩みの根本解決の一端となります。
そして、自分自身が気付く事で「遺伝」の悪循環を断ち切れるのではないかと考えています。
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