ブランド志向

随分前の話ですが、職場の同僚(女性)でこんな方が実在しました。
夏の私服はだいたいTシャツで、その胸には日替わりで「GUCCI」「CHANEL」「LOUIS VUITTON」「GIORGIO ARMANI」「PRADA」「FENDI」「Christian Dior」「VERSACE」等とプリントされていました。
イヤリングやネックレスもブランドのロゴやマークの形ばかり身につけていました。
持っているカバンはVUITTONやGUCCIやFENDIで、中から出てくるPRADAのポーチにはCHANELやらDiorやらの化粧品が一杯入っていました。
昼休みになると化粧品をテーブルにずらりと並べて入念に化粧直しをしている姿を良く見かけました。
個人的には白地に黒でデカデカとLVマークがプリントされたヴィトンのTシャツなんてホントにあるのか?なんて心の中で突っ込んでいた事もあります。(^_^;)

日本人はブランド好きが多いと言われています。
恐らく、「周りと同じでありたい」と思う傾向がとても強い日本人の民族性が、ブランド好きのひとつの要因だと考えられます。
ですから、学校や職場でみんなヴィトンやCOACHのバック持っているから自分も欲しいと思ってしまうのは、あながち不自然な事ではありません。

心理学の中に「ハロー効果」(威光効果/後光効果)と呼ばれる心理効果があります。
これは、ある対象を評価をする際、目立つ特徴に目が行き、他の特徴についての評価が歪められる現象の事です。
例えば、「東大卒」の経歴を持つ人に対して頭が良いだけでなく人格者であると言う印象を持ったり、白衣を着ていると無条件で偉い人のように思ってしまうなどです。
外見、経歴や肩書き、権威などが目立っていれば、良く知らないのに人格も含めて良い評価をしてしまいがちです。
ハロー効果は、人に対してだけでなく物や企業にもあります。
その最たる所が一流ブランドと言えます。

ブランド好きの中でも、男女問わず常にブランド品を身に付けている程、ブランドに固執する人はハロー効果に対して敏感なのでしょう。
「世界の高級品、超一流品」と言う権威に弱く、またそれを身に付ける事で、自分も高級、超一流であると他人に評価してもらいたい心理が働いていると考えられます。
良くブランド品を身につけると安心すると言いますが、本当は自分の個性に自信がないのかも知れませんね。

ブランドに固執する女性の中には、物事の価値を「外見」や「形」に求める傾向が強いタイプがいます。
平たく言えば花より団子、愛より金のタイプで、生活水準の高い生活を望み、相応の男性との出会いに対してライバルとの差別化(自分の水準を上げる)を図るために超一流ブランドに固執する女性も存在します。
あまり露骨にブランドで身を固めた女性は、金品を要求するために武装している印象を男性に持たれるかも知れませんね。(^_^;)

さらにお金持ちの中には、ファッションに限らず車や住居も含めてブランドに固執している方がいます。
これは「自分がセレブである」と他人から認めてもらいたい欲求が強いのでしょう。

以前、美輪明宏氏がこう言っていました。「ブランド?人の名前がついたものを身につけて何が嬉しいの?」
確かにブランドって人の名前多いですよね。(^_^;)
この後、自分と言うブランドをもっと大切にしなさい、みたいな事を言われていました。
自分の個性を肯定的に認める事が出来れば、必要以上にブランド品を買い漁る事もなくなるのでしょう。

ちなみに馬好きの私はエルメスやグッチの馬具モチーフものにやたらと惹かれます。
お店でハミだ、あぶみだ、鞍だと喜ぶ割に・・・値段を見ると1つも手が出ません。(*_*;
と言う事で、今回のコラムは若干やっかみが入っていたかも知れません。m(__)m
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