飛行機

飛行機に搭乗し、離陸する時に窓の外を見ていると、視界が広がりみるみる小さくなる街を見る事が出来ますね。
最初のうちは目立つ建物やランドマークを見つけて「あ、あの辺が地元かな」などと観察できますが、すぐに認識できない位の小ささになり、やがて飛行機は雲の上まで到達します。
私は飛行機に乗る機会があると、離陸の時に必ず窓の外を見ていますが、その時にいつも思う事があります。
街も人間も小さいなぁ。
自分の世界の全てがあんな小さい所にあって、その中で悩んだり苦しんだりしているのって、もしかしたらくだらない事なのかも知れない。
うじうじと何かに悩んでブルーな気分になっていても、こんな風に思うと嘘みたいに気分が楽になります。

常に悩みを抱えている人や、解消されない悩みを持ち続けている人のほとんどは「視野が狭い」と言う共通点を持っています。
例えば、不倫の相手とどうしても結婚したいが相手が離婚してくれないと言う悩みを持っている人がいたとします。
この人の欲求は不倫相手と結婚する事ですが、それが叶わず悩んでいます。
別の見方をすると、不倫相手と結婚する「以外の選択肢」がその人の中にないために、叶わぬ思いを募らせているのです。
別の異性が思いを寄せていても気付かないか、解ったとしても「不倫相手との結婚」以外に道がないと思っていれぱ、その異性を寄せ付けないでしょう。
相手の方に離婚する気がなければ、不倫相手と決別しない限り一生叶わない願いに悩み続ける事になるでしょう。

特定の人や物事、考え方に強く執着したり、1つの考えに固執しそれにこだわり続けたり、たった1つの事以外は受け入れられなかったり、特定の方法(やり方、手順、順序)以外は許せなかったりと言った場合も視野が狭いと言えるでしょう。
他の物事を見れなければ、他の考えが浮かぶ事は難しいです。
自分の中で他の方法や考え方、選択肢がなければ「たったひとつ」(または二者択一)の考え方が頭の中をぐるぐる回ります。
たったひとつの考え方や二者択一のような状態で問題が解決出来なければ、ずっと思い悩む結果となるでしょう。
その状況を「不幸」だと思うならば、厳しいですが自分で不幸を作り出していると言っても過言ではありません。

別の視点から見るなど、もっと視野を広げれば悩みの度合いは全然違ってきます。
悩みを長く持っていると、心の余裕がなくなりますので自分自身で視野を広げるのは困難かも知れません。
そんな時には、信頼できる複数の人に相談をしてみましょう。その時に相手のアドバイスを否定してはいけません。
人によって考え方が違いますので、アドバイスを素直に聞いて「選択肢」のひとつにするのです。
こんな方法で別の視点からの考え方を自分の中に取り込むと良いでしょう。
さらに複数の考え方がリストアップされれば、後は自分で冷静に見て「自分が一番幸せであろう選択」をチョイスするように心がけてみると、問題は思わぬグッドアイデアで簡単に解決するかも知れません。

それでももし、悩みに押しつぶされそうな時は、可能であれば飛行機に乗ってみてください。
または高い建物の展望台でも良いかもしれません。
眼下に広がる小さな世界でたくさんの人が一生懸命生きている事に思いを馳せれば、少しは気持ちが楽になるかも知れませんよ。
[1]週刊ココロコラム
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