責任転嫁と逆ギレ

知人の占い師Aさんから聞いた話です。

半年程前に復縁の相談に来た女性がまたAさんの占いにやってきました。
第一声が「前に見てもらったのは当たってなかったけど、また来いと言われたので来ました。」
よくよく聞くと、前回のAさんからの助言と真逆の行動をとり、その結果復縁を願っていた男性から絶縁を宣言をされたそうです。
そして、女性はAさんにこんな事を言いました。
「あなたの占いが100%当たるなら、その通り行動してあげてもいいけど。」
この言葉を聞いたAさんは、自分の人生なのに「行動してあげてもいい」と言う彼女の姿勢に正直腹が立ったそうです。
Aさんは、占いのデータと女性の話を総合し、彼女の精神的なショックを考え慎重に言葉を選び、男性の事を諦めるように話しました。
それに対し女性は泣く、反発、嫌味、開き直り、身勝手な持論で理詰めに責める、と言った態度で最後まで話を聞き入れようとしませんでした。

また、かつてはこんな女性もいたそうです。
二股をかけていた男性とのそれぞれの相性についての相談でした。
Aさんは「相性の良いこの方と付き合って、もうひとりの方とは別れた方が良い。このまま二股交際を続けると良い結果にならない」と助言しました。
しかし、彼女はそのまま二股交際を続け、本命の男性にばれて「捨てられた」のだそうです。
この女性は「あんたのせいで捨てられた」と逆ギレしてAさんの所に乗り込んできたのだそうです。

この2人の女性に共通するのは、自分自身の悩みに対する助言が、自分の希望通りでないと受け入れられない上、自分の行動の結果を占い師になすりつけて責めています。
特に、先の女性の「その通り行動してあげてもいいけど」と言う発言は、不満足な事象に対する、自分自身の行動とその結果の集大成である人生(の責任)を、常に他人や他に責任転嫁して生きていると考えられます。
また、心理的に頑なな反発や逆ギレの多くは「痛い所をつかれた」状態です。
心の底ではその事実を知っている(理解している/薄々感じている)が、決して認めたくない事柄を、第三者から直接提示されたため反発するのです。

思い通りにならない悩みや問題に対する責任転嫁や逆ギレは、欲求が満たされない事でこれ以上自分の心が傷付かないように「防御」しています。
この防御(防御規制)は、言い訳や負け惜しみなども含まれる誰しもある自然な心の動きです。
しかし、この防御方法は根本的な問題解決には至りません。
また、起る事象や起きた現実を変える事が出来なければ、自分が変わらないと根本的な解決は困難です。
多くの人はいずれこのことに気付き、我慢(抑圧)したり、自分の考え方や行動を変えるなど「自分で」悩みや問題に向き合い対処します。

今回ご紹介した2人の女性は、その気配は全くありません。
このようなタイプの方は責任転嫁が癖となっているのか、普段から自分の行動の指針を他者(他人や他の事象)に頼り、その結果自分の欲求が満たせない事は他者を責める、と言った性格傾向が推測されます。
占いにこだわるのも、占いの結果を行動の指針とし、欲求が充足しなかった場合、占いのせいにするのでしょう。

つくづく占い師も大変だなぁと思いました。
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