隣の芝生の正体

とある居酒屋での会話です。

Aさん「いいなぁ。Bは公務員だから休みがたくさんあるもんなぁ。」
Bさん「お前こそ。上場企業の営業マンなんて羨ましい肩書きだよ。」
Aさん「何言ってるんだよ。休日まで接待あるんだぞ。」
Bさん「接待って言いながらいい店で酒呑めるし、ゴルフだってタダだろ?俺は自腹だぞ。」
Aさん「いくら経費でも接待だから気が休まらないよ。それに引き換え、いいよなぁ公務員って。適当に仕事しててもリストラされないじゃん。」
Bさん「確かに、犯罪でもしない限りクビにはならないけど、下手すると窓際だぜ。」
Aさん「楽でいいじゃん。時間通りに行って帰ってくるだけで金もらえるんだから。」
Bさん「そうは言うけどさ、居場所がない・仕事がないって、お前知らないだろうが本気で辛いぞ。」
Aさん「ふん。俺にしてみれば羨ましいよ。」

「隣の芝生は青い」と言う言葉があります。
意味は他人が持っているものの方が良く見えると言った所でしょうか。
私達は知らず知らずのうちに、他者と「比較」します。
それも、自分のネガティヴ要素(欠点、短所)と他者のポジティヴ要素(美点、長所)を比べてしまう傾向があります。
平たく言えば、自分にないものと他人にあるものを比べてしまうのです。

高性能のパソコンを持っているCさんと最新の携帯電話を持っているDさんがいるとします。
Cさんは「自分は最新の携帯電話を持っていないがDさんは持っている(から羨ましい)」と思い、Dさんは「自分は高性能のパソコンを持っていないがCさんは持っている(から羨ましい)」と思うのです。
Cさんは高性能のパソコンを持っていますし、Dさんは最新の携帯電話を持っています。
しかし他者と比較する時は、「自分の持っているモノ」が見えなくなってしまうようです。

こんな比べ方をしていれば他者の方が当然良く見えてしまいますよね。(^_^;)
これが隣の芝生が青く見える正体です。
このような比較をすればする程、自分自身に対する不満と自分の身の周りに対する不満ばかりが募ります。
そして、気付くと日常的に強いストレス状態にさらされていたり、イキイキとした自分が見出せず何をすれば良いのか解らなくなるかも知れません。
さらに、他者に対して羨ましいと思うだけならばまだ良いですが、それが妬み・嫉み・嫉妬の元凶になる場合があります。
「嫉妬の原因は相手にあるのではなく自分にある」と言う訳です。

スピリチュアル的な見方をすれば、「他者と比較をしない」が理想です。
しかし、他者との比較は誰でも行う自然な心の動きですので、「するな」と言ってすぐ出来るものではありません。
ならば考え方を変えて、「自分に不公平な比較」をしないように意識をするのはどうでしょうか。
他者に対して羨ましいと思った時、一度「自分の何と比較しているのか」を分析してみて下さい。
それから、自分にないモノではなくて自分にあるモノ、つまりポジティヴ要素(美点、長所)に意識を向けてみて下さい。
精神的に楽になる事、間違いなしですよ♪
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