砂糖社員

最近巷で話題となっている「シュガー社員」と言う言葉を知りました。
過保護で甘やかされて育ち、自己中心的で社会人として自立心に乏しい社員の事を、社会保険労務士の田北百樹子さんがシュガー社員と命名し、今は書籍にもなっています。

残業すると「ウチの子を何故残業させる」と親から怒りの電話がかかってくる。
勤務態度を注意すると「親にさえ叱られた事がないのに」と怒り出し翌日から出社せず、後に親が退社手続きをした。
「資格を取るために勉強できるか」と上司に聞かれ、「親に相談します」と答えた。
などなど、今時の学校で扱いに困るような親子と同じタイプが「社会人」として会社にもいるのです。

田北さんはシュガー社員を5つのタイプに分けています。

・「ヘリ親依存型シュガー社員」(何かあると親が出てくる)
・「俺リスペクト型シュガー社員」(自己中心的で慢心)
・「プリズンブレーク型シュガー社員」(少しでも楽な方に逃げる)
・「ワンルームキャパシティー型シュガー社員」(仕事が増えるとパニック)
・「私生活延長型シュガー社員」(公私のけじめが全くない)

シュガー社員の事を知って、私の知人の配下にいた新入社員の話を思い出しました。

出社時間になっても新入社員が来ないので、電話をかけると「今起きました」と呑気な一言。
長時間勤務の交代制なので新入社員が来ないと帰れず、さらに長時間勤務を続ける諸先輩方。
急いで出社すれば数十分で来れるのに、数時間後にのっそり現れて謝罪の言葉は一切なし。
仕事の終わる時間ジャストでやりかけの仕事を投げ出して帰る。これがほぼ毎日だったそうです。

上司である知人は新入社員に再三注意をしたけれど反省どころか何も改善されません。
何度言っても判ってもらえないならば、文書にすれば判ってもらえるのではないかと考えた知人は
「遅刻はするな、どうしても遅刻するような時はすぐに連絡を入れろ」 と言う内容の簡単な注意事項を文書にして部下に渡しました。

新入社員はもらった文書を連絡プリントのように親に渡し、それを見た親が会社に乗り込んで来て、いじめだパワハラだとわめき散らし、挙句の果てに「訴える」とか「新聞社にリークする」と脅してきたのだそうです。
会社側は些細なトラブルでも表沙汰になるのは困るらしく、その親に謝罪し「上司に責任を取らせます」と約束し、真面目で実直で正義感の強い知人は即座に左遷されたのです……。

会社側もシュガー社員とその親の対応に苦慮しているようで、最近は管理職向けの研修項目に「叱り方」があると聞きました。
叱られた事のない人を叱ったり、叱られた事のない人が他人を叱る立場になると、どう叱って良いのか判らないのでしょう。
さらに、一歩間違えるとパワー・ハラスメントとして訴えられる危険性すらありますから「正しい叱り方」を学習する必要があるでしょうね。(正しい叱り方って何?^_^;)

今は売り手市場で企業より就職する側が有利だと言われています。
面接で「御社は私をどう育ててくれるのですか」と質問するような人も採用しないと人材を確保できないのかも知れませんね。(^_^;)
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