夢の考察

夢って不思議ですよね。何故夢を見るのか、現在少しずつ解明されつつあります。
今回はそんな夢についての考察です。

【2種類の睡眠】
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類がある事が知られています。
レムとは「Rapid Eye Movement(急速眼球運動)」の略で、寝ている時に目玉を動かしている時(レム睡眠)とそうでない時(ノンレム睡眠)があります。2種類の睡眠はレム睡眠から始まり、約90分間隔で交互に入れ替わります。
レム睡眠は主に体を休める睡眠で、ノンレム睡眠は主に大脳を休める睡眠です。
ほとんどの夢は脳が活発に動いているレム睡眠時に見ています。
余談ですが、男性の朝立ちはレム睡眠中(夢を見ている時かその直後)に起こるそうです。また、レム睡眠からの目覚めはすっきりしていて、ノンレム睡眠からの目覚めは良くない事も知られています。

【脳の夢を見る場所】
右脳障害のある人は夢を見ない事が検証されています。また、レム睡眠中は左脳に比べ右脳が活発に働いている事も知られています。

【夢を見るメカニズム】
レム睡眠中は「記憶の脳」である海馬と視覚情報を司る視覚野が活発に働いていることが判っています。
起きている時の記憶は全て一旦脳にデータが残され、レム睡眠中に必要なデータ、不必要なデータをより分けて記憶の整理をしています。記憶の整理をする際にはデータの参照が行われている為、この記憶が夢に反映されていると言うのが現在一番有力な説となっています。
また、夢がつじつまが合わなかったり、視覚的、印象的だったりして解釈し辛いのは、右脳は情緒的、印象的な感覚(絵や音楽的ですね)を司っています。論理性や言語的な考えは左脳の仕事ですので、右脳で見た夢は抽象的な要素を多く含んでいます。

【正夢の科学的解釈】
あのタイタニック号に乗船予定だったジョン・オコンナーと言う人物は乗船する事が決まってから毎日船が沈む夢にうなされ、気になってキャンセルしたと言うエピソードがあります。
先程の「記憶の整理」は未来予測や自分の感情も記憶とした整理される為、沈没するのではないかと言う不安や、沈没に関連した情報を見聞し記憶していた為に見たと言う科学的解釈がされています。

【夢を見る意味】
夢にはいろんなタイプがありますね。例えば睡眠中喉が渇いていたので水を飲む夢を見たとか、高熱で苦しくて首を締められる夢を見たりします。
他にも日々のプレッシャーからか高い山を苦労して登る夢や、本当に正夢を見たり、全然知らない人が出てくる夢等枚挙にいとまがありません。
前項で触れたように見聞・体験したものだけでなく自分の感情や考えも同じように記憶として脳に蓄積されていますので、自分の感情や悩みが夢となって表れるのもうなづけます。
しかし、まだ脳の活動全てが解明されていない現在では、正夢も含め、必ずしも夢を見るのは記憶整理だけとは限りませんね。
[1]週刊ココロコラム
[2]TOPに戻る