セックスレスを考える・その3

今回も引き続きセックスレスに陥りやすいパターンをご紹介します。

■SEXをしづらい環境、状況
夫婦の寝室と、同居の親や子供の寝室がふすま1枚で仕切られているだけ、等の環境ですと気付かれないかと気になり、なかなかセクシャルな気分になりにくいです。
奥さんがフルタイムの正社員で旦那さんが夜勤と言った共働きですと、時間がそれぞれ異なりますので、2人でゆっくりした時間がなかなか持てないです。
しづらい、できない状況が続き、SEXがない生活が成り立ち、なおかつそれが不満に思わなければSEXが面倒に感じる場合があります。

■SEXのタブー視や嫌悪、罪悪感
その1で紹介した性機能障害の「性嫌悪障害」とも重なりますが、SEXに対してネガティヴな感情(観念)を持っている事があります。
特に女性に多いのですが、以下のような要因が挙げられます。
・過去に性的にショックな事があった(性的虐待やレイプ、痴漢やセクシャル・ハラスメントなど)
・過去のSEXでの失敗や性交時の痛み
・厳格な家庭でセクシャルな物事を排斥した教育で育った
・潔癖な性格傾向
過去の性的な出来事に関しては、理由がはっきりしているため自覚している事が多いです。
一方、家庭の躾や性格傾向から来るSEX及びセクシャルな物事に対する嫌悪感や罪悪感は、ほとんど本人は自覚していません。
さらに「大人になったらSEXするもの」「みんな経験している事」と言う観念とせめぎあい、嫌悪感や罪悪感は心の奥に追いやられますので、本人は理由が解らないまま何かSEXに違和感や嫌な感じを持つと言った状態になる傾向があります。
嫌な感じがあるものを我慢して続けているうちに苦痛になっていきます。

■回避性人格障害タイプ
社会生活に支障を来たすなどで治療が必要な場合もありますが、個人によって程度の差があります。
そのため「性格的な特徴」として紹介します。

常に人の目を気にしていて、他人からの批判や拒否(拒絶)、失敗や恥をかく事に対して人一倍敏感で強い不安と恐れを持っています。
そのため、このような批判や失敗の場面を避ける傾向がありますし、好かれている確信がなければ対人関係を築こうとしません。
また、失敗を恐れるため「新しい事」や「責任のある事」「新しい対人関係」等を避ける傾向もあります。
セックスレスに関しては特に男性が顕著で、「失敗したら嫌われる」「恥をかきたくない」と言う強い不安からSEXやセクシャルな場面を回避します。
SEXの場面ではイニシアティブをとる事が苦手で、失敗を恐れて自分から動けずにじっとしている場合があります。
かつてはSEXをしていたが、失敗した・恥をかいた・相手に批判されたと本人が思う事で、それ以降SEXやセクシャルな場面を回避するようになる傾向もあります。
性欲はありますので1人で処理するとか、風俗店などで処理をする事はあります。
つまり、「相手」がいるSEXを回避してしまうと言えるでしょう。

その他にもいろいろな要因が考えられますが、ご紹介したものを見てみると心因性のものが少なくない事が解ります。
性欲は本能的な欲求ですが、人が対峙するSEXにはこまやかな心の動きが影響していると言えるでしょう。

些細なきっかけでSEXから遠ざかり、だんだんし辛くなった結果セックスレスになってしまったと言う話は案外多いそうです。
セックスレスの解消方法は、セックスレスの理由によって異なります。
性機能障害であれば泌尿器科、婦人科、心療内科、専門外来などが対応しています。
他には心理カウンセリング(性的な問題を専門とするカウンセラーもいるようです)も有益です。
しかし、これらの行動を起こすには、一方が改善したいと思っていても一方が拒否していては困難ですし、無理に行動するとパートナーの関係にヒビが入る可能性が高いです。
相互理解や信頼、そして十分にコミュニケーションがとれていて、協力し合う姿勢が必要でしょう。
そのためには、まずお互いの気持ちに向き合って話し合う事がとても重要なのかも知れませんね。
[1]週刊ココロコラム
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