顔も足も突っ込め

営業や訪問販売の技法としてとても有名な心理テクニックがあります。
その心理テクニックを使った一例をご紹介します。

「こんにちは〜○○牛乳です。宅配の牛乳は如何ですか?」
「牛乳ですか?…ウチは結構です。」
「牛乳だけじゃなくて、今話題のスーパーでは買えない特別なヨーグルトも宅配してるんですよ。これが凄く評判良くって。とりあえず今日はそのお話だけでも聞いて頂けませんかねぇ。」
「あぁ、聞くだけなら…いいですけど。」

最初に牛乳の宅配を勧めて相手が断ると、次に「話だけ」となっています。
これは、ドア・イン・ザ・フェイス(譲歩的依頼法)と言うテクニックで、最初に「無理なお願い」をして相手が断ったら、譲歩して「負担の小さいお願い」をすると、譲歩されている分、相手が断り辛く(或いは引き受けやすく)なると言うものです。

「新型のブルーレイディスクレコーダーを1週間ご家庭でお試しになりませんか?映像の美しさは言葉で説明するよりご覧になれば一目瞭然ですからね!」
「え?それって無料なんですか?」
「もちろん無料ですよ。お宅に設置させて頂いて1週間後に回収させて頂きます。あくまでも無料体験ですから商品をお求め頂く必要は一切ないですよ!」 「じゃ…是非お願いします。」
→1週間後
「ブルーレイディスクレコーダー如何でしたか?凄く綺麗だったでしょう!」
「ええ!!細かい所まで繊細でびっくりしました。」
「もし宜しければなんですけど、お宅に設置させて頂いてるレコーダーは無料体験用で新品ではありませんので3割引にさせて頂きます。新型で他店では値引きしてませんからお値打ちですよ。」
「そうなんですか!じゃ…頂きます。」

最初は「お試し」だったものが次に「販売」になっています。
これはドア・イン・ザ・フェイスとは逆のパターンで、フット・イン・ザ・ドア(段階的依頼法)と言われています。
誰しも矛盾した行動をしたくないと思っていますので、はじめに受け入れやすい依頼を受けてしまうと、次に本来なら受け入れにくい依頼にも応じやすいと言うものです。

どちらも営業や販売など商売では案外良く見かけますし、販売員が心理テクニックとして意識してなくても自然に行っている事もあります。
商売は売る側と買う側の「駆け引き」ですが、恋愛も駆け引きが大切と言われますね。
このドア・イン・ザ・フェイスやフット・イン・ザ・ドアは恋愛の場面でも使えるテクニックです。

「今度デートしようか?」
「え?!デート…ちょっと無理。」
「じゃ、昼飯位ならいい?」
「あぁ、お昼位ならいいですよ。」
(ドア・イン・ザ・フェイス)

「試写会のチケット1枚余ったんだけど良かったら行く?」
「あ、観たかった映画だ!行きます♪」
「解った。んじゃ帰りにメシでもどう?おごるよ。」
「あ…はい。行きます。」
(フット・イン・ザ・ドア)

こんな感じで、開いたドアに顔や足を突っ込んでみると意中の人と仲良くなれるきっかけを掴めるかも知れませんね。
出会い以外にも恋愛のいろんな場面で使えますので、覚えておいて損はないと思いますよ。(^^)

[1]週刊ココロコラム
[2]TOPに戻る