言い訳のコツ

最近の天気予報は、昔に比べてなんとなく当たってる気がしませんか?
「くもり時々雨」の予報で、朝から一日中雨が降ったとしても「気象庁め。嘘つきやがって(怒)」と思いにくくなっています。
それにはちょっとしたカラクリがあります。

例えば「日本海を進む低気圧は北日本に向かい、低気圧からのびる前線が日本を通過します。この地方の明日の天気はくもり時々雨。
降水確率は20%で午後からは30%、山間部はお昼頃から、平野部では夕方前から雨が降り出すでしょう。洗濯指数は10%で洗濯物は乾きにくいです。
最高気温は平年並みの15度、最低気温は平年よりやや低く5度と冷え込むでしょう。警報・注意報は出ておりません。」だったしとします。(気象に詳しくないので違ってたらごめんなさい)

つまるところ明日は「くもり時々雨」の予報なのですが、翌日朝から一日中雨が降ったとしても「あー、そういや降水確率20%で午後から30%って言ってたもんなぁ。まぁ一日中降っててもおかしくはないか・・・・。気温は確かに天気予報どおりだし。」と言った感じで、何だか全くハズレたようには思いにくくなります。

最近の天気予報は、衛星写真を見せ、天気図を詳しく解説し、各地の天気を図を使い判りやすく伝えるだけでなく、警報・注意報、降水確率から花粉の飛翔や洗濯指数、紫外線情報など、様々な情報がいっぱいです。
昔に比べて予報に対する技術が進歩し、それに伴いこのような具体的な情報も多数提供されるようになりました。
情報量が多くなればなるほど「合ってる事実」が増えていきますし、具体的な確率や指数などの情報を提示されるとなんとなくその通りのような気がします。
合っている事実や具体的な情報がある程、実際の結果が「そうではなかった」としてもさほど信頼感を裏切らないのです。

こんな天気予報方式は、私達の普段の生活にもいろいろな形で応用出来ます。
今回は「そうではなかった」ネガティヴな事実だったとしても、信頼感を下げずに済む「言い訳」で考察します。

例えば、上司から一任されていた資料作成が提出期日に間に合わなかったとします。
提出期日ギリギリに「実は××のため資料作成が間に合いません」と理由を切り出しても、それがどんな理由だったにせよ上司の心象は良くありません。
これは「出来ない」ネガティヴな情報しか見えないからです。
この状態では「提出期限を守らないいい加減なヤツ」として信用を落とす可能性があります。

そこで「スライド用の資料の方は商品写真待ちです。明日の午後に写真が届く予定ですので明日中には完成する予定です。」
「配布資料の方は開発部からのスペックの返答待ちで、今の所20〜30%程度しか出来ていません。」
「今日の夕方にようやく開発部から返答が来ましたが、資料作成が提出期限の明日朝イチに間に合わないかも知れません。なんとか明日中には提出します。」
こんな感じで、上司から進捗状況を聞かれていなくとも自分から逐次細かく報告していきます。

提出期日に間に合わなかったネガティヴな事実はあるが、「スライド用の資料は完成している」、「開発部からの返答が遅くなった為に資料作成が間に合わなかった」などの事実や具体的な情報があるため、「提出期限を守らなかった」が「間に合うよう頑張った姿勢」の情報が見えてきます。
そのため本人の信頼を落とす事はほとんどありません。

他にも、急な残業で待ち合わせ時刻に遅れると言った場合などにも応用できます。
会った時に遅刻した理由を説明するよりも事前に逐次情報を提供しておく方が相手の心象は良くなります。
残業の可能性が出てきた時に「もしかすると残業になるかも」、残業確定時に「残業で1時間〜1時間半位遅れると思う」、仕事を終えた時に「今終わったから、後20分位でそっちに着けそう」と言った内容を逐次電話やメール等で伝えると、遅刻をしても信頼度は下がりにくくなります。

こんな感じで、具体的な様々な情報を事前に相手に伝える事で、「出来なかった」「そうではなかった」と言ったネガティヴな事実でも相手に受け入れてもらえる可能性が高くなります。
是非、事後報告よりも天気予報方式を使って上手く言い訳してみて下さいね♪
[1]週刊ココロコラム
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