ココロ銀行

いらっしゃいませ。ココロ銀行へようこそ♪
実は、誰しも自分の心の中にココロ銀行の口座を持っています。
その口座は「目に見えないもの」を貯蓄しているので、通帳もなく残高もはっきり解りません。(^^;
今回は、この謎に包まれた(?)ココロ銀行のカラクリについてご紹介します。

心理学の一分野、交流分析(TA)の考え方に「ストローク」と言うものがあります。
ストロークはスポーツで良く耳にする言葉ですが、ここでは他者に対する態度や、他者に与える認識や反応を指します。
簡単に言えば人との交流やふれあいになるでしょう。
ストロークには大きく分けると『ポジティヴ(肯定的)』と『ネガティヴ(否定的)』があり、具体的な表現の種類は以下の3つになります。
(他にもありますが割愛します)

【言語的ストローク】※言葉
■ポジティヴ…賛同、褒める、肯定、好意、尊重など
■ネガティヴ…批判、叱る、否定、けなす、悪口、敵意など

【非言語的ストローク】※態度
■ポジティヴ…話を聞く、頷く、見つめる、微笑みかけるなど
■ネガティヴ…無視する、睨む、避けるなど

【身体的ストローク】※体と体
■ポジティヴ…握手、頭や体を撫でる、抱き合うなど
■ネガティヴ…叩く、殴る、蹴る、つねる、物をぶつけるなど

人はポジティヴなストロークを欲しています。
褒められたり、信頼されたり、好意を示されると誰でも嬉しいものですし、自分の存在価値を認めてもらえる事になります。
一方、ネガティヴなストロークは心や体が傷つくものですので、本来は欲しくないものです。
しかし、ストロークが手に入らないとネガティヴなストロークでも欲してしまいます。
例えば、子供の素行が悪くなったり、困らせるような事をする場合の多くは、親からポジティヴなストローク(褒めたり愛情を示してもらう等)が貰えず、ネガティヴなストローク(叱る、怒る、叩かれるなど)でもいいから欲しいのです。

相手から受けたストロークはポジティヴ・ネガティヴに関わらず随時自分の中に蓄積されます。
それが最初にココロ銀行とお話した『ストロークバンク』です。
ポジティヴなストロークをたくさん受けて貯蓄した人は、自己肯定的でストレスに強く、他人に対してポジティヴなストロークを与える傾向があります。
逆にネガティヴなストロークを多く貯蓄している人は、自己価値が低くてストレスに弱く、他人に足してネガティヴなストロークを与える傾向があります。
ストロークそのものが貯蓄できない人は先にご紹介したようにネガティヴなストロークでも求めるため、ネガティヴなストロークを多く貯蓄しています。
目に見えないものを貯蓄しているので、通帳もなく残高も確認出来ませんが、自分自身を観察すればどちらを多く貯めているかは解るでしょう。

相手に与えるストロークがポジティヴであれば相手からポジティヴなストロークが返り、ネガティヴなストロークを与えると相手からネガティヴなストロークが返って来ます。
良いにつけ、悪いに付けそれらは循環します。
ポジティヴならば良いですが、ネガティヴな場合は悪循環となりますので、気付いたら周囲は嫌な人ばかりになっているかも知れません。

ストロークバンクは物心つく前からいわば「口座開設」している状態です。
そのため、小さい頃の生育環境などでネガティヴなストロークをたくさん受け、たんまり貯蓄してしまった方もいるでしょう。
それは決して自分が悪いからでも、いけないからでもありません。それどころかたくさん傷ついているはずです。
しかし、ネガティヴなストロークの悪循環によって、他人に対してもネガティヴなストロークを出している事にも気付いてみて下さい。
このカラクリに気付いたならば、これから自分の力で悪循環から抜け出せます。
その方法は、自分自身に対しても(これ大切!!)、どんな相手に対してもポジティヴなストロークを心がける事です。
ポジティヴなストロークを続けていく事で、相手からポジティヴなストロークが返ってきますので、どんどん貯蓄できますよ。(^^)
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