アサーティブ・その3

これまでアサーティブの紹介をしてきましたが、今回は相手に「NO」を伝える方法を考察してみたいと思います。

まず「NO」を伝えるのは
★自分の素直な気持ちを相手に示すのは相手への誠意でもある
★相手とよりよい関係を気付く為の言葉
★自分も相手も肯定する為の言葉
と思って勇気を出して伝えてみましょう。

次に、どう伝えるのか
相手に自分の気持ちをまっすぐに伝える為には態度(ボディランゲージ)が大切です。
★視線を合わせる事。
視線を外して話すと自信がない、嘘っぽいような印象を与えます。まっすぐ相手の目を見て話しましょう。但し最初から最後迄じっと見つめ過ぎると逆効果です。時々自然に視線をはずしながら楽な気持ちで視線を合わせましょう。
★姿勢や距離
体はなるべく相手の方に向けましょう。そして高さも重要です。座っている人に向かって立って話すと威圧的になります。視線を水平に合わせるように同じ高さの方が親密になります。
また、相手と自分が心地良い距離で話す事でもコミュニケーションの度合いが変わります。
★表情・身振り
にこやかに怒りを伝えても相手は真剣に捉えてくれません。伝える感情とマッチした表情が大切です。
自然な身振りは話す内容を強調し、なおかつオープンで率直な印象を相手にもたらします。
★声・話し方
話し声は話す内容よりも印象に残りやすいそうです。声の大きさ、抑揚、間の取り方、調子、高さ等が変わるだけでも相手に与える印象は全く違ってきます。
また、早口や口ごもったりせずゆっくり流暢に話す事で感情が伝わりやすいです。
★タイミング
相手に自分の気持ちを話す時、感情が先立つと早くなり(例えば相手の言葉尻を捕まえる感じ)、ためらうとタイミングが遅れます。冷静で自然にしてれば会話のタイミングは自然になります。

内容について
★何に対して「NO」なのかをはっきりさせる
例えばデートに誘われた場合、デート自体がNOなのか、行く場所や日時がNOなのか、その人自体が嫌いなのかと言った具体的なNOの理由をはっきりさせます。
★その場で決断しなくても良い
もし気持ちが揺れているならば、「考えさせて下さい」とか「もう少し待って下さい」等相手に伝え、時間を決めて答えを出しましょう。
★「NO」の理由は簡潔かつ率直に
まわりくどい言い方ややんわりと言うと、逆に相手を混乱させたり勘ぐったりしてしまいます。
「今取組んでいる仕事に集中したいので、今は誰ともお付き合いをするつもりはありません。」等と言葉の最後迄はっきりと伝えましょう。
★代替案を提示する
自分の意思があれば代替案を相手に提示し相手と一緒に問題解決をしていきます。
例えば「残念ですが、他の人を誘って下さい。もし良ければ私の友人を紹介しますよ。」等。
★相手の意見を聞く姿勢を持つ
自分の意思を尊重し、相手の意思を尊重する事こそがアサーティブです。「NO」と言った事に対して引け目を感ずる事なく、相手の意見に同調したり解釈して解答を見つけ出そうとするよりも、その背景にある感情や言いたい事が何であるのかを理解しましょう。
★終了させる
相手への同情や後ろめたさからいつまでも長居すると、逆に期待をさせたり感情的になったりします。
話に区切りをつけるとか、その場を立ち去る等して終了させる事も自分の責任を果たす事になります。

そして、なによりも大切なのは失敗を恐れない気持ちです。
是非心のどこかにアサーティブを置いて勇気を出して自分の気持ちを相手に伝えてみて下さい。
オープンになる事は良い人間関係を築く第一歩になるでしょう。
[1]週刊ココロコラム
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