悪徳セミナー・その2

前回(第74回悪徳セミナー・その1)では悪徳自己啓発セミナーの第一段階の内容に触れました。
前回紹介しませんでしたが、第一段階終了時に、それぞれの受講者の「紹介者」が現れ卒業おめでとうセレモニーを行います。
この「紹介者」は第三段階迄セミナーを受けた人達なのです。

同じ言葉を1日じゅう言わされるような内容もあります。
この辺りは、あのオウム真理教の「修行するぞ」と言う言葉を長時間聞かされるのと同じ感じですね。
他にも扮装や寸劇をさせられます。寸劇の内容はかなりショッキングなものもあり、性行為や暴力行為に及ぶ事もあるそうです。
演技経験のないものが即興の演技を強要されますので、どうやら考える暇を与えず行動をさせる意図があるようです。
過去にあった自分の失敗や成功を皆の前で発表し、講師が失敗には酷い言葉を成功には歯の浮くようなほめ言葉を与えます。(アメとムチ)
他にも講師がある動作を言い、その通り動く事が楽しいと思わされ何時間も続けたり、「自分はこうあるべき」と言うような内容の言葉を講師から与えられ、他の受講者に認めてもらえるまで何度も叫び続けると言ったものもあるそうです。
そして、第二段階を終了する時にはお決まりの第三段階への勧誘が待っています。

第三段階は短い合宿や時々のセミナーを含め数ヶ月と長期間に渡ります。その間セミナー団体に「毎日電話を入れる」ように言われます。
後になってから、第三段階のセミナーの内容が「勧誘」である事を受講者は知らされます。
それとは別に「ワークショップ」と言われるセミナー団体の事務所で一定期間仕事をさせられます。
高額な受講料を払ったセミナーの内容になんと「タダ働き」があるのです。

既にマインドコントロールされている受講者は、勧誘に対して疑問を持つものはほとんどいません。
勧誘できる人数を決め、皆の前で宣言します。これが勧誘のノルマとなります。
そして、ノルマ達成が勝ち、達成出来なければ負けと言う感情を植え付け、まず3日間でノルマ達成出来るかどうかをゲームのように競わせます。
受講者はなりふりかまわず、知人や友人に勧誘します。この時最初に自分自身が受けた「欠点を指摘し攻撃する」方法や「アメとムチ」等が知らず知らずのうちに勧誘に生かされているのです。

そして、「毎日電話する」ルールによってその日の状況を聞かれます。
勧誘が出来ていないと徹底的に尋問され言葉巧みにノルマ達成を強要されるのです。
受講者はノルマ達成が自己の向上に繋がると洗脳されているので、より強引な勧誘を繰り返すようになります。
また達成出来ていない人には、アメとムチの「ムチ」が待っています。講師より精神的または肉体的攻撃を受けるのです。
しかし、それがおかしいとは思えない精神状態に改造されているので、警察沙汰になりにくいのです。
ノルマ達成をした人達は徹底的に祝福されます。また、勧誘に成功した受講者は至福な気分になったり、自分と同じように感動を体験してもらえると心から喜びます。
3日間ノルマ達成ゲームが終わると次に1週間、1ヶ月と長い期間のノルマ達成ゲームが始まります。
しかし、セミナーか終了しても、既に「勧誘ロボ」化され、勧誘に至福を見出す人間にされている受講者は、その後も勧誘し続けるのです。

悪徳セミナー団体は、このように自己啓発セミナーに見せかけた洗脳(マインドコントロール)を行い、無理矢理勧誘されて来る人達の受講料で成り立っています。
そして、セミナーに参加しマインドコントロールされた人は、健全な対人関係が築けないばかりか通常の社会の中で生きる事さえ困難になってしまうのです。
有益な自己啓発セミナー団体がたくさんある中で一部の悪徳団体がこのような甘い汁を吸っているのです。
もし、自己啓発セミナーを受講してみたいと思う方は、怪しい団体かどうかをくれぐれも見極めて下さい。
そして、強引な勧誘はきっぱりと断って下さいね。
[1]週刊ココロコラム
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