対人関係の考察・その2〜空気読め〜

前回その1は、相手との距離感のお話を紹介しました。是非今回のコラムとあわせて読んでくださいね。

対人関係が上手く行かない人、或いは対人関係の悩みがつきない人の多くに共通する要因のひとつとして「空気が読めない」が挙げられます。
前回の距離感が解らないと言うのもこの中に含まれるでしょう。
場の空気が読めないとは、置かれている状況を把握し、物事なり人の感情なりを「察知」出来ない事です。

例えば、6人の仲間で飲み会をしました。その中にカップルがいて、2人だけになりたくて二次会は別行動にしました。
他の仲間3人もカップルの気持ちを察して「明日仕事だから」と帰っていきました。
しかし何故かひとりカップルに付いて来る人がいます。
面と向かって「帰れ」と言いにくいカップルは「君、明日仕事で早いんだよね?」と言うと「大丈夫♪二次会はどこにいくの?」と満面の笑みで答えて帰る素振りは全くありません。
結局、2人の時間を持てないまま形だけの二次会をさっさと終わらせ帰りました。
もしこんな人がいたら、次回誘われないか、上手く帰らせるための策略をみんなで練ってから誘うでしょう。
他にも、カツラ疑惑のある上司が連れて行ってくれた飲み会でカツラ疑惑のタレントの話を嬉しそうにする人とか、落ち着いた大人の雰囲気の喫茶店で大声で騒ぐ人、つい最近失恋した人がいる前で嬉しそうに結婚の報告をする人などなど。
きっとみなさんの周りにひとり位こんな人がいるでのではないでしょうか。
もしかすると、自分の事?と思っている人もいるかも知れませんね。大丈夫です。私もどちらかと言うと空気が読めない方ですから。(^_^;)

私達は、言葉以外でもたくさんのコミュニケーションを取っています。
例えば、態度や表情、声の抑揚や大きさなどです。これらは「非言語コミュニケーション」と言われています。
その場の空気を読む極意は、非言語コミュニケーション、つまり言葉として表していない部分から得られる相手の「非言語メッセージ」を読み取る能力を磨く事です。

先日、雑誌に対人関係の距離感についての記事が掲載されていたのを興味深く読み、それがきっかけで前回と今回のコラムを書きました。
記事の中で、「人との距離感」が以前と変わってきた要因のひとつとして、日常的にメールをコミュニケーションの道具として使う事が挙げられていました。
メールが広がった頃は「活字体」に非言語コミュニケーションが含まれていない事が原因で、誤解や行き違いが多くありました。
しかし、絵文字や顔文字など「ニュアンス」を表現するものを使ったり独特な言い回し等を使う事で、非言語コミュニケーションが含まれていなくても交流そのものが成り立つように「進化」してきました。
リアルで人と会うよりも、メールやネットなどで交流する方が人に気を遣わないから楽でしょう。
メールが対人関係悪化の諸悪の根源と言っているのではありませんが、メールやネットなどで交流する事を主眼に置いてしまうと非言語メッセージを読み取る機会が減りますね。

最後に、コミュニケーションに占める非言語メッセージは65%です。
非言語メッセージが読み取れない人は、対人関係の65%を読み取れず周りから「空気が読めない人」と思われているかも知れません。
対人関係に悩みがある人ほど、人と接する機会を作り、相手に対しての気遣い、つまり相手の立場に立って考える事を意識していくように心がけてみましょう。
それが、自分の悩みの大きな原因を克服できる力となりますよ。
[1]週刊ココロコラム
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