モラハラ・ハラハラ・その2

前回、モラスハラスメントの概要をご紹介しました。
この問題は大変曖昧でデリケートなものですので、じっくり紹介していきたいと思います。
以前、実際に会社でいじめに遭った方に伺った内容を元に、今回と次回でモラルハラスメントの一例をドキュメント形式でご紹介します。
もし過去に同様の経験をしている方は、読むと思い出して辛くなるかも知れませんのでご注意下さい。m(__)m

A子さん(22歳)がある会社に入社し、研修を終えて某部署に配属されました。
控えめで礼儀正しく、清楚な印象があるA子さんは、部署内の男性社員から好意的に迎えられたそうです。
そしてその部署には部署設立以前から働いているお局B子さん(34歳)がいました。
転勤してきた上司よりも古株で年上、さらに一番業務内容に詳しいためA子さんの教育係となりました。

お局B子さんは大変厳しい人でした。
「それ位言われる前に自分でやりなさいよ」と言われ、自発的にすると「勝手にやらないで」と怒る。
電話応対をすると、電話を切った途端飛んできて対応の仕方が悪いと事細かに注意する。
言われた事を全部守って電話応対をすると今度は、滑舌が悪い、声が暗い、姿勢が悪いと注意する。
毎日必ず「そんな格好で来て、あなた真面目に仕事する気あるの?」とか「社会人だったらこんな短いスカートで会社に来るのは非常識よ。」「柄入りのストッキングはやめなさい。」などと服装の注意を人前でされる。
仕事中トイレに立つと「トイレは休憩時間に行っておきなさい。学生じゃないんだから。常識がなさ過ぎるでしょ。」と言われる。
事あるごとに「これはA子さんのために言っているのよ。」「だからA子さんは駄目なの。」「それ位解ってないと社会人として失格よ。」と言われる。
書類を作ると必ずどこかにケチをつけて何度もやり直しをさせられたり、上司に意見を求められ発言すると物凄い理論武装で反論される。
A子さんから気遣って話しかけると無視するか、私語として注意される。

最初はA子さんも、これらは指導や教育であり社会人になるために必要な事だと我慢していました。
しかし、2週間もしないうちにB子さんに対して威圧感や恐怖を抱くようになり、どんなに離れていても同じ部屋にいるだけで強く緊張するようになりました。
B子さんが次々と放つ「ダブルメッセージのダブルバインド」(第185回「二重拘束・その2」参照)はA子さんの思考と行動の自由を奪いました。
そして、結局自分がどんな事をしても批判されるため自責の念を持ち、常識がない・社会人として失格と言われ続けるため自己嫌悪に陥り、皆に迷惑をかけていると言われ続けるため強い罪悪感さえも抱くようになったのです。

B子さんは同じ部署の人だけでなく他部署の人にまでA子さんの悪口を言いふらしました。
A子さんが休憩室に行くと他の部署の人達がA子さんを見てヒソヒソと話をする光景を目にするようになりました。
その事を上司に相談したら、今度は上司を誘惑したと言う噂が社内で流れ、部署内の男性社員達も好意的でなくなりました。
同期の子も段々A子さんに近づかなくなり、噂を立てられた上司は自分の立場を危ぶみA子さんをなるべく避ける始末。
当のB子さんは「元々は自分の管理不足が悪いのよ、A子さん本人が撒いた種だから仕方ないわね。」と他の人に言い放っていました。

次回に続きます。
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